さて、今回は前回の件(スーパーストロングマシンの引退興行の話)からちょっと思ったことを。

これまでレスラーの引退後って実はあまり幸せな感じがしなかったですよね。
ま、それはプロレスに限らず、スポーツ選手の引退後っていう風に話をひろげても同じようなニュアンスで物語れるかもしれません。

プロの選手はその人生をほとんど競技に捧げてきたワケで、正直社会人としての常識や規範などは欠落していたりするのではないでしょうか。

例えば昨今の清原選手の逮捕しかり、華々しい現役であればあるほどその落差は大きいように思います。

それらの前例を知ってか知らずかJリーグではセカンドキャリアをどうするか、そのための施設を設立、若くして引退を余儀なくされた選手たちのセカンドキャリアが、たとえ華々しいものではなくても生活するための様々な手助けを行っています。
Jリーグの取り組みについて


プロ野球では引退した選手が危機感を持ち、引退した選手のために次のステップを紹介する会社を設立したかのように記憶しています。
またソフトバンクも選手たちのセカンドキャリアのための会社を立ち上げています。

プロレスにおいても故人である三沢選手が団体を超えた選手会の設立に尽力された経緯がありますが、新日本プロレスが反対したため、業界全体の足並みがそろわずに停滞しているような話があったような気がします。

その後三沢さんが亡くなられたことにより再度動きが活発化したものの、それでも頓挫したのかなかなかその後のニュースが流れていないような気がします。

引退しても行き先が無いのであればまた復活と称してリングに戻ってくるなどのことが行われますが、引退後の往年の名選手が怪我したりするのを観るのはファンとして忍びないと思うのです。

引退後もその業界に残れるのは一握りの人気選手だったりするのでしょう。
アフターケアのない選手は自らの出資で会社や飲食店を立ち上げます。

うまくいくならいいですが、中にはどうにもならないような失敗をしてしまい、身を持ち崩してしまうような事案も多々あると聞きます。

レスラーであったり、プロ野球選手であったりするのが人生の大半だとしても、人として生まれてきたその人生は人として死ぬための道に戻ってくるでしょう。

しかし、人として死ぬためには人として生きていかなければなりません。
セカンドキャリアが成功しても失敗しても、生きていかなければならないその人生を、協会なり機構なりが支えてあげなければならないのではないでしょうか。

もちろん甘やかすのではなく、厳しい道だとしても構わないと思うのです。
当事者たちにとっては厳しい試練の道でしょうから「ふざけんな」と言われてしまうかもしれません。

それでも。

それでも彼ら、彼女らには選手として舞台に立ち、観衆を沸かせたヒーローであり続けて欲しいと思うのです。
彼らの一挙手一投足に、胸をワクワクさせながら応援したファンがいる限り、彼らにはずっとずっとヒーローであってほしいと思うのです。

残酷でしょうか。

それでも。

それでも、犯罪を犯して収監されていく人気選手たちの末期に、あの日声援を送ったファンの思いはどこへ行ってしまうのかと思うと、僕はいたたまれなくなるのです。

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球場であれ、リングであれ、ファンの前で勇躍したその姿が誰か一人でもファンの心にあるなら、そのファンが悲嘆にくれるようなセカンドキャリアは歩んでほしくないのです。