今回は女子プロレスについてです。

「KANAと雫 ー 開拓者としてのスピリットと守護者としての尊厳」

現在、アメリカのWWEの第一線で闘ってらっしゃる女性レスラーにKANA選手がいらっしゃいます。
日本での活動時は華名と名乗り、様々なリングで名の通り華やかな存在であり続けた選手でした。

そしてその対比としてはちょっと違うかもしれませんが、お寺プロレスを主宰する雫有希選手がいます。

華名選手は国内のリングを転々としている頃から華やかであり、様々な話題を振りまき、それでありながら真摯にプロレスに向かい合ってきた選手だったのではないかと思います。

新木場で行われたWAVEの試合に参戦しているのを聞きつけ試合観戦しに行った時は松山勘十郎さんとの男女混合、通称ミクスドマッチが行われていました。
この試合はどちらかというとコメディのタッチが強く、試合内容も観客をどう沸せ、笑いを巻き起こすか、そんな試合でした。

そんな試合でも(と言っては失礼かもしれませんが)華名選手は必死にリングに立ち、時に相手に調子を合わせ、笑いの渦巻く中で試合をしていました。

試合の休憩中には会場の片隅でファンと握手したり写真に一緒に収まったりとファンサービスにも真面目に取り組んでおり、会場の中で一番観客を魅了していたのではないかと思います。

片や、お寺プロレス主催の雫選手は僧侶としての役務を日々こなしながらリングに立つという、一風変わった選手ですが、そのパワーや受け身の強さは生半可なものではなく、他のプロレスリングであれば間違いなく団体を代表するスター選手ともなろうというほどの逸材です。

しかし、僧侶であることを第一とした彼女はあくまでもプロレスは僧侶であることの側面です。
彼女はプロレスで上げた収益を児童福祉の為に寄付したり、慈善活動に寄与したりしています。

言ってみればタイガーマスクが闘って得たお金を孤児院に寄付するのに似ているかもしれません。

リングの大きさや知名度に差はあってもどちらもプロレスであることに変わりはありません。

そしてなによりもふたりとも女性として、レスラーとして、とても魅力的な人間です。
リングに立つとき、純粋に闘うことができ、そしてその行為がファンの、観客の心を揺り動かすことのできる天性の才能があると思います。

そんな天性の才能を持った選手は女子プロレスの世界にも多くいます。
しかし、世間の評価はそれほど高いものではないようです。

それは女子プロレスがイロモノ的な目で見られた時代があったことに起因しているかもしれません。
しかし時代が大きく動き始めた現代において、男女の差は昔ほど大きくはないかもしれません。

ここらへんで次回へ。
続きます。