皆さん、こんばんは。

夏本番目前、ベストオブスーパージュニアが終わりました。
今回の覇者は高橋ヒロム選手ということで、新日本プロレスの若手の成長が人材の底上げに直結してるようで他団体からすれば羨ましい限りでしょう。

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とはいえ、これまでの新日本プロレスの歴史を振り返ると「好事魔多し」の言葉通り好調なタイミングでとんでもないトラブルが発生したりするものです。

それも偶然や天災などでなく、会社の上層部の下手なてこ入れが反対に悪手だった、みたいなイメージですが。

とりあえず今回はベストオブスーパージュニアの件について。
これまでのジュニアヘビー級の試合(或いは選手)はあくまでもヘビー級の添え物感が強かったような気がします。

黎明期であればそれこそ王道でしょうが、ドラゴンゲートなどに代表されるような様々な空中戦など華やかな戦いだけでも十分に観客を魅了することができます。

実際今回の各会場での盛り上がりはヘビー級の選手がそれほど出場しない中でも満員御礼をたたき出し、ヘビー級の選手が十分な休養を得ることができたのではないでしょうか。

各選手の試合内容をみれば各会場での盛り上がりも凄まじく、その声援、応援の熱量を受けて更に選手たちも大いに奮闘することができたように思われます。

大切なのはこうした盛り上がりが毎シーズンしっかりと継続されることにあると思います。そのためには様々な選手同士の物語性がきちんと描き切れるかどうかにあると思います。

しかし残念ながらそういった意味では新日本プロレスは物語の継続性よりも一過性の物語として短いスパンで次に繋げていこうとしているように思われます。

はたから見ているとそんなに焦らなくても、と思うのです。

例えば今回のベストオブスーパージュニアを制した高橋ヒロム選手が即座に現ジュニアヘビー級のチャンピオンベルトを所有している王者、ウィル・オスプレイ選手に挑戦を表明しました。

選手の一方的な挑戦表明であるとしても、王者が応諾したとしても、それでも早々に試合を決定する必要はなかったのではないか。

奇しくも高橋選手の所属しているロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンのリーダー内藤選手が昨年の夏、GⅠを制したとき「挑戦者決定のためのリーグ」と揶揄しました。

そういった勢いのある(いい意味での)マッチメイクは見る側から見れば好評なのかもしれませんが、実際に試合をする選手からすれば次から次と話題を提供しなければならない現状は選手生命を危うくし、物語そのものを一過性の短絡的なものにしてしまいかねません。

年間に驚くほどの試合数をこなしている選手側からすればカラダが悲鳴をあげていても欠場、休場することも叶わず連戦に次ぐ連戦をこなすしかなくなってしまうのではないでしょうか。

多くの人気選手を抱えている新日本プロレスだからこその展開の速さなのかもしれませんが、その速さが命取りになりかねないとも思うのです。

例えば12ヶ月の戦線を交互にヘビー級、ジュニアヘビー級がメインになって興業を組むのはそれほど難しくないように思うのですがいかがでしょうか。
それは多くの所属選手を抱えている団体の、今だからこそできる改革なのではないかと思うのです。

本間選手は復帰が発表されましたが、柴田選手は今なお復帰のめどは経っていないように思われます。
怪我をした選手がフェードアウトすることのないよう団体は選手を大事にしてほしいと思うのです。

プロとしてリングに上がる以上、選手は生半可な試合は出来ないでしょう。
そのレスラーとしての本能にブレーキをかけることができるのは団体なのではないでしょうか。

魅力ある選手が魅力ある戦いを繰り広げるために、選手たちの体調管理に、試合の制限に待ったをかけられるのは団体主催側しかないのですから。